個人事業主が考える持ち家と賃貸の比較
筆者は最近、新築の住宅購入を決めることにしたのですが、この判断をするうえで持ち家と賃貸のメリット・デメリットをまとめて検討しました。持ち家に決めてから気づいたことも色々あったので、そういった点も含めて紹介したいと思います。また、今回はマンション購入は検討しなかったので、ここでいう持ち家とは新築の戸建購入を指します。
結論としてはどちらが良いとは言い切れない内容となっていますが、判断材料になる視点を色々記載したつもりなので、参考にしていただけると幸いです。

金銭面
持ち家の特徴
【メリット】住宅ローン控除が利用できる
年末のローン残高の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から最大13年間控除することができます。
筆者の場合は借入額が6,000万円(内、約5,400万円程が土地+建物 ※諸費用分は控除できない)で長期優良住宅であるため、13年間でおよそ400万円程が住宅ローン控除でお得にすることができます。ちなみにシミュレーションは下記サイトから実施しました。
イー・ローン – 住宅ローンの控除(減税)シミュレーション
https://www.eloan.co.jp/home/sim/deduction/fine
【メリット】自宅兼事務所の場合は損金算入できる
個人事業主や経営者であれば自宅兼事務所として住宅購入することで、建物費用や固定資産税を損金算入することができます。下記のサイトが参考になったのでご紹介します。
ミツモア – 個人事業主は家賃を経費にできる! 家事按分の計算や仕訳方法、注意点を解説
https://meetsmore.com/services/tax-return-accountant/media/40127#i-7
ただ、筆者は十六銀行で住宅ローンを組んだ際、自宅兼事務所として取り扱いしてもらえなかったので、残念ながら利用できませんでした。個人事業主の方で住宅ローンを検討する場合は、自宅兼事務所として組むことができるかどうかは要確認です。
ただし、事業にかかった分は原則住宅ローン控除に含めることができないので注意が必要です。
【メリット】子育てエコホーム支援事業などが利用できる
この先ずっと続くかはわかりませんが、最近は住宅購入に対して国からの補助金を受けることができます。
今年度(令和6年)は子育てエコホーム支援事業という補助金の事業があり、最大100万円の補助を受けることができます。
ただし、最大の100万円を受けるには長期優良住宅である必要があり、その認可を受けるために申請手続き等の諸費用がかかってくるので事実上に満額受け取ることはできません。
【デメリット】修繕費がかかる
持ち家にすると大体10年目以降からは修繕費がかかってくるようになります。ただ、大きな費用としては屋根材と外壁材のメンテナンスなので、新築時にこれらにコストを割くことができればかなり削減できるでしょう。
ただし実際のところは住んでみないとわからないので、不安要素としては長く残ることになりそうです。
【デメリット】固定資産税がかかる
建物部分は通常であれば新築後3年間、長期優良住宅であれば5年間の軽減措置が受けられますが、毎年まとまった費用がかかってしまいます。
【デメリット】住宅ローン金利の支払いがある
固定金利を選択すれば割高な金利を、変動金利を選択すれば将来の上昇幅が予想できない不安があります。
【デメリット】火災保険料が5年契約でかかる
筆者の今の見積もりでは5年で15万円の火災保険に入る内容になっており、今の賃貸は現在2年で1.5万円なのでやや割高な印象です。
【デメリット】その他、賃貸ではかからない諸費用が色々かかる
賃貸であればかからない諸費用が持ち家では色々あります。賃貸の場合は賃料に反映されているとは思いますが、どんなものがあるかは予め知っておいた方が良いでしょう。
項目や費用については筆者が実際に負担した金額(あるいは見積もり)です。立地や建築条件によって大きく変わるところもあるのであくまで参考までに。
| 項目 | 内容 | 費用 |
|---|---|---|
| 土地の仲介手数料 | 土地の販売者が不動産会社ではない場合に発生 | 0円 |
| 土地の所有権移転登記 | 土地の所有権を売主から買主に移す登記手続き | 420,000円 |
| 固定資産税の日割負担 | 土地の所有者に支払いする固定資産税の日割分 | 120,000円 |
| 建物解体工事費 | 古屋が残っている場合の更地にするための工事 | 0円 |
| 土地の造成工事 | 建物が建てられるように土壌を整える工事 | 300,000円 |
| 地盤改良費 | 地盤調査の結果、地盤が軟弱であった場合に発生する費用 (土地を買うまで費用がわからない) | 0円 |
| 外構費 | 建物完成後にフェンスやコンクリート等を引く ための工事 | 2,000,000円 (見積り) |
| 水道・ガス引込工事 | 土地に水道やガスが引込されていない場合にのみ発生す る工事 | 550,000円 (水道のみ) |
| 上・下水道加入金 | 新しい建物で上・下水道を使用するための手続き | 250,000円 |
| 建物の確認申請・長期優良住宅 手続き及び諸費用 | 建物完成時に行う申請 | 420,000円 |
| 中間検査申請手数料 | 建物完成前に行う申請 | 25,000円 |
| 抵当権設置登記 | 建物を住宅ローンの担保とする場合に行う登記手続き | 80,000円 |
| 建物表示登記 | 建物完成時に行う登記手続き | 170,000円 |
| 融資手数料・保証料 | 住宅ローンを融資してもらうために必要な手数料 | 650,000円 |
| 合計 | 4,985,000円 |
合計するとおよそ500万円です。
ちなみに住宅ローンについては別記事で紹介しています。
賃貸の特徴
【メリット】家賃手当・地代家賃・役員社宅が利用できる
会社員や個人事業主、経営者であってもそれぞれメリットが得られます。ただし、家賃手当の無い会社員の場合は特にメリットが得られません。
【デメリット】引っ越しの度に敷金・礼金、引っ越し費用がかかる
生活の変化に合わせて引っ越しを繰り返す形になるとその分の敷金・礼金及び引っ越し費用がかかってしまいます。生活スタイルに合った家に住めることは一見合理的ですが、初期費用も含めて計算しないと結局損することになりそうです。
【デメリット】賃貸契約の更新料・保険の更新料がかかる
大体2年に1度、更新料によって2万円(高いところは1月分の家賃)程かかります。
住宅保険についても年間で5千円~2万円程は計算にいれておく必要があります。
災害面
持ち家の特徴
【メリット】災害に備えた住宅を検討できる
建売だと難しい場合もありますが、注文住宅であれば自身でハウスメーカーを選んだり商品選択することによって、災害に対してどこまで安心して暮らすことができるかを選ぶことができます。
耐震性能や耐火性能、耐水性能にこだわり、太陽光パネルを搭載して防災グッズも確保しておくことで実際に災害があった際に自宅での生活に備えられるのは、持ち家ならではの選択ではないかと思います。
【デメリット】災害によって破損があった場合は自費で修繕しないといけない
保険によってはある程度の補助があるかもしれませんが、基本的には自費で修繕しないといけません。また、修繕が不要であった場合も建物へのダメージは蓄積されていきます。このリスクを背負う点はシンプルにデメリットでしかありません。
賃貸の特徴
【メリット】災害で建物がダメになったら引っ越せば良い
持ち家と比べてこの点は身軽です。災害にかかわらず、生活の上で都合が悪くなった場合にすぐ引っ越しできることは賃貸の最大のメリットだと思います。
【デメリット】災害に備えることが持ち家に比べると難しい
持ち家と違い、居住する建物の耐震性能や耐火性能、耐水性能を事前にチェックすることは難しいので、持ち家に比べると災害に対する安全面としては不安が残る印象です。
ただし、災害への対策は土地選びでも可能なので、必ずしも賃貸だから災害に弱いということはありません。水害対策のために2階以上の部屋を借りたり、ポータブルバッテリーを常備して停電対策するなど、一時的な避難所としての対策も準備次第です。
居住面
持ち家
【メリット】間取りの自由度が高い
注文住宅は、規格住宅等でなければある程度自由に間取りを考えることができるので、土地面積に対して無駄のない家を建てることができます。とはいえ、条件に合う土地が見つかることや良い設計士さんに恵まれるなどの運要素も大きくあります。
また、筆者の場合は設計士さんが間取りを提案してくれるのが土地購入後ということもあったので、有料の間取り作成ソフトを使って土地購入前に間取りのシミュレーションしておりました。
3Dマイホームデザイナー
https://www.megasoft.co.jp/3dmyhome14/
15,000円と結構高額ですが、直観的に操作しやすくとても重宝しました。
この土地良いかも..!と思ったらすぐこのソフトで間取りを作成して、気に入らなければ見送り、良さそうであれば営業さんの意見も聞いてみるといった手順で検討しました。
土地を購入してから思った間取りが作れなかったとなってしまっては遅いので、どうしても土地選びに失敗したくない方にはおすすめです。
【デメリット】間取りを後から変えられないリスク
注文住宅は早いタイミングで建ててしまった方が、トータルの収支を安く済ませることができます。そのため家族計画だけ立てて、お子さんが実際に生まれる前から家を建てるケースも少なくないでしょう。
すると建てた後にお子さんに恵まれなかった場合に、部屋が余ってしまって結果損するといったことも考えられます。もし損をしたくない気持ちが強ければ、リスクヘッジとして部屋を後から仕切れるようにしたり、別の使い道を考えておくなどの工夫が求められます。
賃貸の特徴
【メリット】生活の実態に合わせた間取りの部屋を借りられる
無駄のない間取りの部屋に住めることはメリットですが、先述したように何度も引っ越ししてたら初期費用の面で損なので、計算は必要です。
また、引っ越し時にお子さんが既に学校に通っていて学区を気にする場合は、選択肢が少なくなる点も留意する必要があるでしょう。
【デメリット】決められた間取りから選ぶ必要がある
賃貸の間取りは3LDKまでは物件数も多いので選ぶのにそこまで困ることはありませんが、4LDK以上になると途端に物件数が少なくなります。仮に4人暮らしだったとして、リモートワークが多くて家で仕事する場合はスペースの確保に苦労するでしょう。
また家事について、キッチン周りの使い勝手はどこも大きな違いはないですが、洗濯については不便な物件が多い印象です。
例えば、1階に2帖の洗面所があり、ベランダが道路に面していた場合、人目を気にするなら外干しは2階のバルコニーを使うしかない。乾太くんを賃貸で導入することはできない。
すると、普段の洗濯物は1階のリビングに干すか洗面所に電気式乾燥機を設置するなど、選択肢が限られていきます。
【デメリット】引っ越ししたい時、ちょうど良い物件があるとは限らない
引っ越ししようと考えているタイミングで、賃料や初期費用の価格面も含めて条件に合った物件があるかは運次第です。1年のうち、出回っている物件量が多いのは6月と12月である点から踏まえても、引っ越しの時期を不動産の状況に合わせる必要があるでしょう。
筆者が賃貸ではなく持ち家にした理由
費用面では賃貸に軍配が上がる計算でしたが、生活の質の面で考えると持ち家が良いかなと感じたため、持ち家を選択することになりました。
まずは間取りです。我が家では住居に関して次のような要望を抱いておりました。
- 小さくても良いから和室が欲しい
- ベランダはいらないから広いランドリールームが欲しい
- 子供部屋2つ+書斎が欲しい
- 土間収納が欲しい
- 災害に強い家に住みたい
あと元々家にいることが多く、この先定年後になった後でも引っ越しの予定もなかったので、持ち家を選択することになりました。色々と不安は大きいですが、後悔の無いように頑張るつもりです。











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